2020年に小学校で必修化される等、ここ数年日本でもプログラミング教育が話題になっています。
これからは、プログラミング教育が必要とか、プログラミングは21世紀の教養とか言われても、私たち親世代は以下のように感じていませんか?
- プログラミング教育って何?
- なぜ必要なの?
- 家庭で教えることってあるの?
私たち親世代で、プログラミングを習った経験がある人はほとんどいないでしょう。
そのため、急に必修化と言われても頭が追い付かない人も多いと思います。
私もそうでした。
私自身はプログラミング教育という言葉は聞いていましたが、旦那さんがSEということもあり、旦那さん任せにしていました。
しかし、来年には息子の小学校入学を控えており、そろそろやらなきゃとの思いに駆られ、色々と調べてみました。
今回はその経験をもとに、家庭でのプログラミング教育のポイントを解説します。
大人のちょっとした一言で、プログラミング教育が成功するかどうかが決まります。
今後、学校以外でもプログラミング教育に力を入れたいと思っている人は、ぜひ参考にしてください。
親も一緒に勉強しよう
親世代で、プログラミング教育を受けたいとはほとんどいませんよね?
そのため、プログラミングというと、手を出しづらいと思ってしまう人も多いと思います。
しかし、そこで諦めずに、一緒に取り組むことで、子供のプログラミング教育にとってたくさんのメリットがあります。
例えば、以下のようなものです。
- 楽しさ、難しさがわかる
- 一緒に考えてあげられる
- 難易度の調整ができる
- 親子のコミュニケーションが増える
何より、プログラミングを介して、親子のコミュニケーションが図れますから、家族みんなで取り組めると良いですね。
また、子供は親がやっていることに興味を持つものですから、一緒にやることは、子供のモチベーションアップにもつながりますね。
教えない
一緒にやって教えてあげるんじゃないの?
と思った人もいると思います。
一緒にやるのは良いですが、その際に簡単に正解を教えないというのが大切です。
なぜなら、プログラミングの一番の良いところは、創造力を働かせて自由にものづくりができることです。
ゲームプログラミングでもロボットプログラミングでも、子供は特有の自由な発想で、大人が考え付かないようなものを作ることができます。
その過程で、創造力や頭の中のものを形にする表現力、上手くいかなかったときにそれを解決する問題解決力といった力が育まれます。
しかし、大人はある程度、効率良い方法や答えがわかってしまうものです。
それを子供に教えてしまうと、子供は自由に考えることをやめて、正解を探すようになってしまいます。
これを繰り返すうちに、せっかくの自由な学びの場が、暗記型の勉強になってしまい、子供の創造力や表現力は育ちません。
子供の成長は大人が考えるよりも早いと言います。
正解を教えてあげたいと思ってもぐっとこらえて、ヒントを出す程度にして、子供の気づきを待ちましょう。
失敗を繰り返し、回り道をしながらでも正解にたどり着いてくれるでしょう。
好奇心を刺激する
では、親は何をしてあげられるのでしょうか?
ヒントを出す程度なのでしょうか?
そんなことはありません!
親にしかできないこともあります。
その1つが好奇心を刺激してあげることです。
子供がプロ野球選手のプレーを見て感動して、野球を始めるのはよくある話ですよね。
そのように、子供はプロの一流のプレーを見て「すごい!自分でもやってみたい!」と思うことで、自主的に練習するようにもなります。
これは、プログラミングも同じです。
プログラミングを学ぶことで、どんなことができるようになるのかを知ることで、子供も憧れを持ち、勉強したいと思ってくれるものです。
そのためには、親ができるところを見せてあげられるのが一番ですが、日頃からプログラミングにかかわっているSEでもない限り、それも難しいですよね。
それなら、プログラミングに関するイベントやプログラミング教室の無料体験に連れて行ってあげるのがおすすめです。
そこで、先生の技や周りの受講生の姿を見ることで、興味を持ってくれる子供もいるでしょう。
勉強は好奇心さえ持てれば、あとは自然にできるようになるものです。
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テーマを絞る
子供に対して、「なんでもいいからやってごらん。」では、考え込んで動けなくなってしまう子もいます。
皆さんもどこに行きたいか決める時に、「なんでも良い。」と言われて困った経験はありませんか?
「外で遊びたい。」や「○○が食べたい。」など少し絞られてくると、考えやすくなるものです。
これは子供も同じです。
テーマが広すぎると、どこから考えて良いのかがわからなくなってしまうんです。
そんな子には、少しテーマを絞ってあげると、具体的にイメージができ、手が進むこともあります。
テーマとしては、以下のようなものがあります。
- 夏休みに行きたい所
- 未来の街
- 新種の海の生き物
ここで大切なことは、なるべく自由を残すことです。
「教えない」のと一緒で「絞りすぎ」も子供は大人の提案に合ったものを作ろうとしてしまいます。
これでは、創造力や発想力は育まれません。
なるべく自由を残してあげるために、絞るのはせいぜいテーマ位にしましょう。
話を聞いてあげよう
人は、他の人との話の中で、一気に想像が広がったり、知識が定着したりということが良くありますよね。
子供も同じです。
大人が質問を投げかけることで、子供は新たな発想が生まれたり、自分の頭の中が整理されたりということがあります。
効果的な質問のタイミングは以下のような時が考えられます。
- 考え始める時
- 完成時の振り返り
- 次回作について
詳しく見ていきましょう。
考え始める時
テーマを絞ってあげることと一部重複しますが、考えすぎて手が動かない子には、テーマを絞れるような質問をしてあげましょう。
例えば、以下のようなものです。
- 夏休みはどこに行きたい?
- 今日はどんなことがしてみたい?
また、2つ目の質問のように、子供の頭の中にあるものを口に出させてあげることで、考えが整理されることもあります。
具体的なものが頭に浮かべば、あとは自然と手が動くものです。
完成時の振り返り
完成したことを褒めながら、たくさん質問をしてあげましょう。
子供は、自分がしたことを言葉にすることで、表現力や伝える力が育まれます。
例えば、こんな質問はどうでしょうか?
- どこを工夫したの?
- 最初のイメージ通りできた?
- 難しかったところは?
このような過程を整理できるような質問をしてあげると、頭の中もより整理され次回につながる学びになるでしょう。
また単純に、自分が作ったものに親が興味を持ってくれればそれだけで嬉しいですよね。
次回作について
そのまま次回作についても質問してみましょう。
- 次は何を作りたい?
- (工夫したことをもとに)次は何が作れるかな?
- どうしたらもっと上手にできるかな?
といった質問が考えられますね。
プログラミング教育にゴールはありません。
1つのものを完成させた後は、「次はもっとこうしてみよう」といったように、いくらでも学びの余地があるのが、プログラミングの良いところでもあります。
また、プログラミング教育の1つの目的であるプログラミング的思考も、1度で身に付くものではありません。
継続的に鍛えることで、自然と身に付くものです。
さらに、昨今のプログラミングの技術は目まぐるしく変化します。
今日学んだことが、来年には時代遅れになっていることすら考えられます。
子供が今回の学びを次に活かす手助けをしてあげて下さい。
子供の限界を決めつけない
プログラミングをしていると壁にぶつかることは日常茶飯事です。
その中でトライ&エラーを繰り返し、問題解決力を養うのもプログラミング教育の1つの目的です。
しかし、このトライ&エラーの繰り返し方によっても問題解決力の育ち方に差が生まれます。
例えばその問題を解決するのに、ある数式の考え方が必要だとします。
ただ、その数式は中学生にならないと習わないものもあります。
この場合、あなたならどのように子供に対応しますか?
1番簡単なのは、これは中学生にならないと習わないことだからと、大人が代わりにやってあげることです。
しかし、これでは子供のためになりませんよね。
その数式は中学生にならないと習いませんが、中学生でないと理解できないわけではありませんよね。
教えてあげればできるかもしれませんし、1度できれば次からは自分だけでできるようになるかもしれません。
子供がつまずいたら、答えではなく、考え方を教えてあげるのが大切です。
このように、大人の常識は時に子供の成長を妨げることにもなりますから、子供の限界を親が決めつけずに、ひたすらトライ&エラーを繰り返させることが大切です。
否定しない
子供の考えを否定しないことも、プログラミング教育においては重要です。
何度も言いますが、プログラミングは自由な創造から学びを得る教育です。
もちろん間違いを教えることは大切ですが、やる前に間違えているポイントを教えてしまうのはご法度です。
子供の創造力や問題解決力を養うには、とりあえず何事もやってみるということが重要です。
プログラミングはどこか1つでもおかしなところがあれば、思い通りに動いてくれませんから、間違いは機械が教えてくれます。
大人は結果だけに目を向けず、その過程を大切にしましょう。
遊びの延長線にあるが遊びではない
プログラミング教育の主流派ゲームプログラミングとロボットプログラミングです。
どちらも上手く活用できれば、プログラミング的思考を育むことができます。
しかし、家庭での学習の場合、上手く活用できないケースが多いようです。
例えば、ロボットプログラミングではロボットを組み立てて、専用ソフトでプログラミングしてあげることで、プログラム通りに動かすことができます。
このロボットプログラミングの醍醐味は、
- プログラミングを組み合わせた場合にどのような動きになるのか?
- もっと早く動かすにはどうしたらいいか?
など、自由な発想で工夫を凝らすことで、創造力や問題解決力を養うことです。
しかし、1度のプログラミングで満足してしまい、新しい発想が生まれてこなければ、自主的な学びにはつながりません。
実際に、せっかくプログラミング用のロボットを買ったとしても、ただのラジコンと化してしまっている人も多いようです。
ゲームプログラミングの場合も同じで、単純なゲームとしてだけで楽しんでしまう子供も出てきます。
大切なことは、子供に適度な刺激を与えつつ、自主的な学習を促すことです。
人は興味関心がないものから、何も学ぶことはできません。
では、どうしたらいいでしょうか?
やはり好奇心を刺激するためにも、プログラミングに関するイベントやプログラミング教室の無料体験を活用するのがおすすめです。
これは、プログラミング教室は継続的に通わなくても、さわりの楽しい部分を教えてもらうだけでも意味があると思います。
また、プログラミング教室によっては、親向けの相談会があるものもありますから、このような場所を活用してみましょう。
ある程度ルールを作る
- 宿題をやってから
- 翌日の準備をしてから
- パソコンに向かうのは何時間まで
このようなルールをあらかじめ家族で決めておくことをおすすめします。
その理由は、
- 約束を守る子に育つ
- 計画性が身に付く
の2点です。
日頃から小さな約束を守らせるように癖をつけることは、子供のしつけにとっても重要です。
また、ルールを決めると、子供は無意識に計画を立てて、プログラミングの時間を確保しようとします。
そうすることで、子供も自主的にいろいろなことを決めるようになります。
おすすめツール
最近では、家庭でもプログラミング教育ができるたくさんのツールがあります。
これからプログラミング教育を始めようという人は、無料のものもありますので、まずはそこから始めてみるのも良いと思います。
その中で、子供がより興味を示すようなものがあれば、そちらにシフトしていくのもおすすめです。
家庭で使えるプログラミングツールはこちらの記事をチェック▼
家庭でも使えるプログラミングツール8選
まとめ
いかがだったでしょうか。
プログラミング教育を受けていない親世代にとって、戸惑うことも多いと思います。
しかし、プログラミングと言っても小学生のうちは、難しい言語の勉強などはありません。
あくまで、論理的思考や自由な創造力を鍛えることが目的です。
難しく考えずに、子供と一緒になって楽しむことで、新たな家族の楽しみも増えると思います。
ぜひ今回の記事を参考にしてください。