今回は、子供がプログラミングを学ぶことでどのようなメリットがあるのかを解説していこうと思います。
この記事を読んでいる人の中には
- どうしてプログラミングを学ぶの?
- 他の勉強時間を削ってまでプログラミングを学ぶ必要があるの?
と思っている人も多いのではないでしょうか。
「小学校から英語学習が必修化します。」と言われると
「これからはグローバルな時代だから、英語は小さいうちから学んでおいた方が良い。」と納得できるでしょう。
しかし、「小学校からプログラミング学習必修化します。」と言われて、あなたは英語と同じように考えられますか?
「そもそも我々親世代は、プログラミング学習なんてしてない人がほとんどですし、それでも生活ができているのだからいらなくない?」
「プログラミングは、プログラマーになりたい人が勉強すれば良いのでは?」と思いませんか?
私がそうでした!笑
子供にとって、プログラミングを学ぶよりも、正しい日本語を勉強する、友達と外で走り回る方がずっと大切な時間なんじゃないかと思っていました。
それでも、SEの旦那さんにいろいろと聞いたり自分で調べたりしたことで、プログラミングを学ぶことで得られるメリットは、私が思っているよりずっと大きいものだと思えるようになりました。
その結果今では、プログラミング学習を始めてみたいと思うようになりましたので、皆さんも参考にしていただければと思います。
- プログラミング学習をするメリットは?
- プログラミング的思考を学べる
- コミュニケーション能力が身に付く
- 自主性・主体性が身に付く
- コンピューターが魔法の箱ではなくなる?
- 勉強法の選択肢が増える
【メリット①】プログラミング的思考が身に付く
最近プログラミング的思考という言葉を聞くことも増えたと思いますが、プログラミング的思考とはどのようなものでしょうか?
文部科学省の有識者会議では、プログラミング的思考を以下のように定義付けました。
「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」
小学校プログラミング教育の手引(第三版)P13
つまり、養われるのは以下の能力と言えます。
(この辺りは、本によって少しづつ内容が異なっていましたので、私なりの見解を示します。)
- 自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要か判断する、判断力
- 一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか考える、創造力
- 記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか考える、問題解決力
- これらを論理的に考え組み立てる、論理力
これらは、プログラマー以外の仕事でも必要になる能力と言えるのではないでしょうか。
あなたの仕事の中で、上記の4つの能力のうち1つでも使っていないものはありますか?
おそらく、ほとんどの人がこれらの4つの能力をフル活用しているはずです。
つまりプログラミングは、このようなあらゆる仕事において必要になる普遍的な能力を効率よく養うことができるのです。
プログラミング的思考の詳しい解説はこちらの記事をチェック▼
プログラミング的思考とは?
【メリット②】コミュニケーション能力が身に付く
プログラミングでものづくりをしていると、自分の作品をいろんな人に共有する機会があります。
例えば、
- 小学校の授業でクラスメイトに発表する
- 両親の前でプログラミングの話をする
- インターネットを通じて世界中の人に自分の作品を共有する
といったことがあります。
プログラムを組むには、順序立てて論理的に機械に説明する必要があります。
それは機械は、曖昧な表現や指示語を察してはくれないからです。
しかし、多くの人に共有する場合には話が変わってきます。
その場合、1つずつ論理立てて作ったものを、人に伝わりやすいように情報を取捨選択し、構成し直す必要があります。
これはビジネスにおいても同じことが言えますよね。
論理的に組み立ててきたプロジェクトを他の人に説明する際には、説明する相手によって情報を取捨選択し、より伝わりやすい構成に編成することが求められます。
このように、子供たちはプログラミングを通じて、ビジネスで求められるものと同じようにコミュニケーションを取ることになります。
もちろん最初から上手には出来ませんが、相手の反応を見ながら自然と気づき、無意識にできるようになっていくことでしょう。
このように、プログラミングはインターネットを通じて、幅広い国や世代の人とつながりを持ち、コミュニケーションをとるための媒体としての可能性も秘めています。
ただし、この機会を最初から子供だけで作ることはできないでしょう。
親や先生が、子供たちの作った作品を誰かに伝える機会を作ってあげることが求められています。
【メリット③】自主性・主体性が身に付く
プログラミング教育と今までの従来型の教育で最も違うのは教師と生徒の関係です。
従来型の教育では、「教師は教える」「子供は教わる」という関係にありました。
この場合どうしても勉強の起点は教師にあります。
勉強の起点が教師にあるということは、子供はどうしても受け身になりがちです。
プログラミング教育で求められているのは、このような従来型の教育からの脱却です。
プログラミング教育では、学びの起点は子供にあります。
多くのプログラミング教室では、授業の最初に子供たちに今日やりたいことを聞きます。
教師はその子供がやりたいことに沿って、アドバイスをするファシリテーターとしての役割をします。
このように、子供は自分でやることを自分で決めることで、自主性や主体性が養われます。
逆に言うと、大人たちは子供とプログラミングをする際、あれこれ口を出すのではなく、子供の自主性を尊重する役割に徹する必要があるのです。
【メリット④】コンピューターが魔法の箱ではなくなる?
プログラミングは21世紀の教養
最近では、私たちの身近なものの多くにコンピューターが内蔵されるようになりました。
例えば、以下のようなものがそうですね。
- パソコン
- スマートフォン
- 炊飯器
- 冷蔵庫
- お掃除ロボット
これらがどんな仕組みで動いているかあなたは説明できますか?
私はできません!笑
今後はさらなる技術の発展により、より多くのものにコンピューターが内蔵され、私たち周りはそのような製品が溢れかえることになるでしょう。
例えば、冷蔵庫に話しかけるだけで中身が確認できて、足りない物があればAIスピーカーに注文をお願いし、数分後に注文した物がドローンで届けられる。
今の子供たちが大人になる頃には、そんな時代になっていてもおかしくありません。
これらの技術は、私たちの生活を豊かにしてくれますが、私たちもこの技術を理解する必要があります。
技術が取り入れられるのは、日常生活だけではありません。
仕事においても、あらゆる事務作業は全て自動化され、単純作業はロボットが行う時代がくると言われています。
コールセンターや受付業務にも徐々にAIが導入されています。
ここで伝えたいのは、日常生活においても、仕事においても、AIやドローン、ロボット等を作れるようになる必要があるというわけではありません。
そのような仕事は、一部の人が行うものですが、そのロボットを日常的に使う一般の人々にとってもその仕組みを知らないでは、仕事にならない時代がくるかもしれません。
たとえるなら、洋服そのものを作れる必要はないが、ボタンが外れた時に付けられる技術は必要ということと同じです。
そう考えると、プログラミングは何もプログラマーになる人だけが理解していれば良いという問題ではなくなります。
コンピューターは万能ではない
私たちの生活を豊かにしてくれるコンピューターですが、何でもできるわけではありません。
AIも含めて、今ある技術はあくまで人間がプログラミングしたものや人間が教えたものを正確に素早くこなしているに過ぎません。
冷蔵庫でご飯は炊けませんし、炊飯器でビールを冷やすこともできません。
あくまで、冷蔵庫には中の物を冷やすように、炊飯器にはご飯を炊くように人間があらかじめ指示を出しているから、できるのです。
このように、コンピューターにできること、できないことを知ることも大切です。
特に仕事においては、今ある技術をどのように組み合わせて、効率化させるか。
どこからは、人間の手が必要かを理解することで、本当に使いこなしていると言えるのでしょう。
以上のように、コンピューターとはどのようなもので、何ができて、何ができないのかを学ぶことで、「コンピューターは魔法の箱ではなくなる」のです。
【メリット⑤】勉強法の選択肢が広がる
今まで勉強と言えば、机に向かって紙とペンを使って行うのが主でした。
しかし、プログラミング学習が生まれたことで、勉強の方法について、選択肢が増えたと私は思っています。
みなさんも1度は「勉強しなさい」と言ったり、言われたりしたことはありませんか?
その度に子供は机に向かいますが、どうも集中できず、他のことを考えながらダラダラ勉強してしまうものです。
プログラミング学習が本格化することで、ロボット作りやゲームを使って勉強する環境が整いつつあります。
これは、もちろん向き不向きがあります。
子供たちの中には、机に向かって紙とペンで勉強するスタイルが好きな人もいるかもしれません。
ただし、そうでない子が積極的に勉強に取り組む1つのきっかけになるのではないでしょうか。
勉強はやらされている限り、身につかないと私は思っています。
これは、以前に予備校でアルバイトをしていた時から感じていました。
同じ期間同じように勉強をしていても成績の伸びはそれぞれ違いました。
その中で、大きく成績を伸ばす子は、自ら興味を持って勉強に取り組めている子でした。
これは、子供でも同じことが言えると思います。
子供の性格を考えて、従来の勉強法が良いのか、新しい勉強法を取り入れるのか、1度考えてみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
少しプログラミング教育に興味が出てきたのではないでしょうか?
プログラミング教育は、プログラミングそのものを学ぶだけでなく、それを通じて仕事において普遍的に必要になる、プログラミング的思考とコンピューターの仕組みそのものを学ぶことを目的にしています。
つまり、プログラミングはプログラマーを目指すものだけが学ぶものではなく、読み・書きと並んだ、新しい一般常識となりつつあるのです。